前回は自筆証書遺言がどのように作成できるかをお伝えしました。
今回は公正証書遺言についてお伝えします。
公正証書遺言の作成は年々増加しているようです。
公正証書遺言とは「公証役場」で、公証人に作成してもらう遺言書のことを言います。
公証人は法律上、不備のない公正証書遺言を作成してくれます。
ただし、それぞれの家族の事情を考慮し、相続税などの相談については対象外となります。
作成前に対策を考えておく必要があります。
そのため相続が起きた後の遺言書によるトラブルの想定や相続税について気になる場合は、
予め司法書士や税理士へ相談したほうが良いでしょう。
沖縄県の公証役場は、那覇市にある「那覇公証センター」と沖縄市にある「沖縄公証人役場」の2カ所があります。
公正証書遺言の作成は、まず公正証書遺言を作成したいということを公証役場へ相談します。
そして、誰に何を相続させるかなどの遺言の内容や必要書類を提出します。
必要書類は、
① 遺言する本人の書類
② 財産の書類
③ 相続人の書類
④ 証人の書類
があります。
① 遺言する本人の書類とは、運転免許証などの本人確認書類、印鑑証明書、戸籍謄本などがあります。
年齢などによっては医師の診断書が必要になることもあります。
② 財産の書類とは、不動産であれば、固定資産評価証明書、登記簿謄本(登記事項証明書)になります。
預貯金であれば通帳のコピーです。その他の財産については、準備すべき書類が案内されます。
③ 相続人の書類とは、遺言する人との関係性が分かる書類として戸籍謄本や改製原戸籍謄本などがあります。
それと住民票などです。
④ 公正証書遺言は作成する時に、立会する証人が2名必要になります。
18歳未満の未成年者や推定相続人、財産をもらう人は証人になれません。
証人になる人は運転免許証などのコピーを提出します。
必要書類を提出すると公正証書遺言の原案が作成されますので、その内容についてご自身の希望の内容と合っているかを確認します。
修正があれば公正役場に修正してもらいます。
内容が確定したら、公正証書の作成日を決めて遺言者と公証人、証人2名で内容を確認します。
遺言書の内容に間違いがなければ遺言者と証人の双方が署名・押印し、その後に公証人が署名と押印して完成します。
公証役場へ支払う公正証書遺言作成の手数料は、財産の価額と内容によって異なりますが、遺言書の内容が確定すると公証役場から案内があります。
作成手数料を公証役場に支払い、公正証書を受け取ります。
なお、公正証書の原本は公証役場に保管されますので、紛失のリスクがありません。
遺言者が亡くなった場合、自筆証書遺言には有った検認という作業が省略されますので、不動産の名義変更や預金の解約手続が進めやすくなります。ただし遺言者が亡くなった後、自動的に公証役場から公正証書遺言の案内が来ることはありません。
そのため、作成したことを家族に伝えておくなど分かるようにしておき、亡くなった後に相続人が公証役場へスムーズに問い合わせができるようにしておくと良いでしょう。
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