相続や贈与の相談を受けていると、「えっ、贈与なんてしていないのに税金がかかるんですか?」と驚かれることがあります。
そのときによく登場するのが「みなし贈与」という考え方です。
少し難しそうに聞こえますが、仕組みはとてもシンプルです。
(1)みなし贈与とは? 通常、贈与税は「誰かから財産をもらったとき」にかかる税金です。
ところが実際には、「形式上は贈与ではないけれど、実質的にはもらったのと同じ」と考えられる
ケースがあります。こうした場合に、税務上”贈与があったものとみなして”課税されるのが『みなし贈与』です。
(2)生命保険金でもみなし贈与が起こる?
実はこの考え方、生命保険金にも関係してきます。
ポイントは、
誰が保険料を払っていたか
誰が保険金を受け取るか
です。
たとえばこんなケースです。
・父が毎月保険料を支払い
・満期保険金の受取人が子ども
この場合、子どもは保険金を受け取りますが、保険料はすべて父が負担していますよね。
つまり、「実質的には父から子どもへお金が移った」と考えられます。
このとき、父が亡くなって受け取る生命保険金でないため、
相続税ではなく贈与税がかかる=みなし贈与となります。
「生命保険=相続税」と思われがちですが、契約の形によっては贈与税になる点は要注意です。
(3)みなし贈与とみなされると 贈与税は、相続税よりも税率が高いのが特徴です。
知らずに設計してしまうと、「思った以上に税金が重くなった…」ということもあります。
「節税のつもりで生命保険に入ったのに、逆に税負担が増えた」という相談は実際にあります。
(4)まとめ:保険は“誰が払って誰がもらうか”が重要
みなし贈与税は、「気づかないうちに発生する税金」と言っても過言ではありません。
特に生命保険は、
✔ 保険料負担者
✔ 被保険者
✔ 受取人
この組み合わせで、相続税になるのか、贈与税になるのか、もしくは所得税になるのかと課税が変わってきます。
少しでも不安があれば、早めに専門家に確認することで、将来の思わぬ税負担を防ぐことができます。
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